障害者用かな配列を作った……他の誰に押し付けるためでもなく、ただ未来の自分のために。
(過去:メモ。@2006年06月04日)
(参考:「新JISはNICOLAから生まれた!?」&「新JISにも版番号があった……しかも、次点配列はある意味さらに魅力的」)
私はもともと、20世紀には「携帯電話用配列」→「障害者用配列」→「かな入力配列」あたりをうろついていたのですが*1、その中に一つ「障害者用配列」として作成していたものがあります。
ワンボタンAZIKちっくキーボード「とんつー」or「せーじっく」(1999/11/28)
当時はかな入力で高効率な方法を探すなど無理だと思い込んでいましたので、とりあえずAZIK的方法を用いて作成していました。
ところが、今にして思うと全然効率的じゃないんですよね……。
というわけで、JISX6004製作過程で提示された「濁点分離かな頻度」をもとに、かな配列で設計しなおしてみました。
ワンボタンかな入力ソフトウェアキーボード「シリアルJISX6004もどき」 (2006/06/05)
JIS X 6004 で元となった高校教科書データの頻度をそのまま割り当てているので、スイッチ一つで入力する事になるであろう「短めの文章・断定調の文章・説明調の文章」にははっきりとした効果が期待できそうです。
実のところ、親指シフトを触ったあたりから「濁点分離にするべきかどうかで迷っていた」のですが、ytqwertyさんの記事を見ていると
濁点混合配置では文字数が増えすぎてダメだ、目視けん盤は可能な限り小さくシンプルで、かつ高効率でなければならない!
という思いに至りまして、思い切って濁点分離配列としてみました。
自分が使うだけならば濁点混合配列(もしくは部分的な濁点分離配列)とするところなのですが、ハードウェアやソフトウェアの共用コストなどを考慮すると「中途半端な仕様ではかえって扱いづらい」かもしれず、そのあたりも濁点分離化の理由になっていたりします。
私が昔筋ジストロフィー患者さんの文字入力に関する放送を見たときには、五十音順かなけん盤で入力していました。
覚えやすいといえば覚えやすい配列だとは思ったのですが、もしかすると使う身からすれば「表現できるだけでありがたいから、贅沢など言えない」とか、「もっといい方法があるかもしれないけど、全然思いつきもしない」と思っている方がいらっしゃるかも……と、そんなことを考えつつ作ってみました。
この仮想けん盤の場合、よく使うかなは左上に偏っている(そして左上からクロスバーカーソルで走査)ので、高頻度で使うかなほど比較的短時間に同定できる&左上に固まっているかなは覚えやすいはずです。
もちろん、今そのけん盤を使う立場にはない私が「こういうものを設計してもいいのか?」という不安はあるのですが、表現能力が制限されてしまってからでは遅いので……とりあえず「表現できるうちに」作ってみました。
できれば使わずにすめば良いのですが、実際どうなるかは誰にも解りませんので……。