そう言えば、郵政民営化で思い出したのですが…


 窓口・郵便・郵貯簡保と四つに分かれるそうで。
 このうち窓口・郵貯簡保に関しては全く見知がないので言及できないのですが、郵便(というか運輸)に関してはまだ多少は知っていることがあるので、その点からメモを書いておきたく。


 基本的に、郵便・運輸の業界は「景気が良いほどコストがかかり、景気が悪いほどコストがかからない」とゆーのが実情です。
 この辺はタクシー業界なんかで逆特区(自由参入防止)の要望が出たりするのと同じで。


 景気が良い時は誰も好んで運輸業をやろうとはしません(キツい仕事です)し、一方で依頼側は「金を掛けてでも早く配送してくれ」という要望がたくさんでます。よって輸送単価(件・円/時)はかなり上がります。
 一方で不景気になると小規模な運輸業者が増え、一方では依頼側は「時間は掛かっても良いから安く配送してくれ」という要望に切り替わります。よって輸送単価(件・円/時)はかなり下がります。


 運輸業界に入ろうとする人の中には「ただ車を転がせば金になるんでしょ?」みたいな考え方をしている人がいるわけで(もちろんそうではない人もいるのですが)、不況になるとかえって人が増える…という状況を生んでいる様です。
 人が増えれば仕事の作業単価は自動的に安くなるわけで。
 仕事は不況になるほど減るから、まさにジリ貧という感じ。


 では郵便事業を民営化すると損をするのか?というと、おそらく「不況のうちは利益を出せるだろう」という気がします。


 運輸の仕組みは大ざっぱに分けると「集荷→県間移送→配達と、直接配送(郵政では行わない)」となるのですが、この4つ全てが「溢れた仕事を外部に振る(余力人員を持たない)」という手法で、(不況のうちは)ある程度のコストダウンを果たせるはずです。
 ゆえに、「仕事量を平均化できる(余している)大企業は、いくらでももうけを出せる」・「仕事量が少ない小規模企業は、コストダウンの煽りをもろに受ける」というわけですな。
 郵便事業は小規模事業ではないだけに、まず仕事を出す立場に転換できれば、もうけは出せるはずです。
 #年賀状の時期になると、アルバイトを多数雇って年賀はがきを処理している風景を見るわけですが、アレと似たことを忙しくなる度にやる、ということで。


 これから収益改善を図るとなると、まずやりそうなこと(すぐに出来そうなこと)は

  • 集荷量確保のためにコンビニポストを大増設(当然集荷はルート配送者が行う)
  • 配達密度を従来の半分に減らす(ゆうパックと第三種郵便物のうち新聞を除く)
  • より詳細な郵便番号の導入(現行7桁+追加3桁〜5桁+番地・部屋番号指定;郵便番号と名前だけで届く様に)
  • 年賀状を除くはがきの郵便料金引き下げ(閑散期料金の値下げ)
  • 第一種郵便物の料金算定方法を「重量→外部寸法」に変更(メール便対策)
  • 徹底した外注活用(所有から活用へ)
  • 代金引換品に対するプラスチック決済(クレジットカード決済・デビッドカード決済(郵便貯金カードによる決済も可能))対応

あたりでしょうか。
 今までは何かやろうとすると、すぐに「民業圧迫!」と叩かれていたわけですが、今後はそう言われる恐れは無くなるので…どんなパワーゲームを演じてくるかが見物であったり。
 ジリ貧の運輸業界にとってはフツーに悪夢だと思うのですが、まぁやれば成功すると思います…。
 #ユニバーサルサービスが「【郵便局員がやるかどうかは別として】郵便サービスを全国にあまねく提供し続けること」であるかぎり、このくらい変えても全国サービスは継続できるかと。


 さて、一つ疑問なのは「なぜ分野別切り分け(NTTとほぼ同じ)にしたのか?」って事ですね…やっぱり「地域別切り分け(JRとほぼ同じ)の不都合を嫌った」のでしょうか。
 #私としては「JR関東」と「JR東北」に分割されなくて良かった…という感じ。


 と、政治絡みには口を出さないと言っておきながらも、かなり近い事を書いてる私って一体…^^;