清濁同置と、清濁隣置と、清濁別置の、違い……。

同じ位置に置く。

 もともとこの手の検討、NICOLAの時には開発期間の絡みではじめから除外されていたッぽいし、新JISカナはJIS X0201カナを使ってたから検討外だったッぽい……ってこともあって、はじめてどうするかを検討してたのが「TRONかな」。この時点で「隣置」って発想はなくて「同置か、別置か」だったみたい。
 それ以前から「濁点後置(かな系)」と、「濁音シフト前置(ローマ字系)」があった……けど、たぶんTRONかなのときに検討されたのは「両方のルールどちらにも結わえない」方法だと思う。
 ……ただ、TRONのときは「覚えにくいから無理でしょ」ってことで、そこまでぶっ飛ぶのは避けて、妥協案として「同手側に対応濁音を置いてもいいし、対手側にもっと清音をおいてもいい」ってコトにした……と。
 このルール、後に小梅が採用してる。NICOLAのような「遅延補償付きプレフィックスシフト」的動作の場合、文字キーについては同じところを打つ&親指シフトキーの操作有無を切替する……ってのが「連濁をテンポよく打つのにちょうどいい」らしく。
 TRONNICOLA・小梅は、シフト面を何段使うか……って違いはあるけど、『同じキーに清濁を置いて、シフトの切り返しで連濁処理とかをする』ってゆーコンセプトは同じ……こーゆー方法でシフトわけするのが【清濁同置】。

近い位置に置く。

 一方で、シフトの深さ方向に関連性を持たせるんじゃなく、鍵盤面方向に関連性を持たせればいいんじゃね?ってゆーのも出てきた。
 例としては、かえであすかとか、鶯とか。これらが深さ方向じゃなく面方向に関連性を持たせる理由は単純で、親指シフトキーの動作として「遅延補償付き小指シフト」的に動かせるエミュレータを使ってるから。
 こーゆー動作をするエミュレータを使うときは、「シフトを離し続けているとき(=シフトしてないとき)」によくやる連綿とした運指動作を、「シフトを押し続けているとき(=シフトし続けてるとき)」にも適用できる……ので、シフトキーの押下状態を変えず&位置的に似たところに清濁を配置するほうが、連濁とかの入力を処理しやすくなる。
 この方法、同一キーに清濁を置きづらいという意味では『清濁に強固な関連性を築けない』デメリットであると同時に、近隣or指対象などいろいろな理由をつけて『清濁の配置について、関連性が弱いかわりに広い選択肢を持たせることができる』メリットにもなってる……かえであすかにも鶯にも、そーゆー緩い関連性を持たせる配字が振りかけられていて、ここは実際の鍵盤配列を見てもらうといいかも……こーゆー方法でシフトわけするのが【清濁隣置】。

別の位置に置く。

 そして、清濁にそういう関連性を持たせないのが【清濁別置】。
 例としては、飛鳥カナ配列とか、新下駄配列とか。
 ここについては、まさにkouyさんが【清音と濁音は別々に配置する : ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく】で言及してる通りなのだと思う……ので、そちらを参照ください。
 この方法での特徴は「配列をキッチリ覚えて使うと、全体的には速い」ってことに尽きる気がする……けど、それを体感できてないので、ここについては正直よくわからないです。

同置→別置→隣置。

 私の場合、飛鳥カナ配列を2年間やってたときに「速さのためなら別置が必要かも……だけど、指保護さえ満たせりゃいいなら、別に簡単化してもイイんじゃね?」って思っていて、そこから飛鳥カナ配列を【清濁隣置】化改造しました。
 「覚えれば速い!けど、覚えにくいのでモタついて遅くなる」のなら、いつまでも低頻度文字の記憶があやふやな私にとっては、速さを体感できるわけがない……ってことがキッカケで、「低頻度濁音の速さに拘んなくてもいいじゃん。忘れにくくなってるほうが、私にとっては速度阻害要因がない分だけ速く打てるよ。」って考えを持つようになったのが、その主因です。
 一般的には「清濁隣置だって、清濁別置の一種じゃね?」って感じる方もいると思いますけれども、清濁隣置ッてのは結局「清濁同置ルールを、連続シフト方式向けに再解釈したもの」なので……そのつながり具合に応じて「清濁同置っぽい清濁隣置」にも「清濁別置っぽい清濁隣置」にもなりうるという、ちょっと中途半端なルールだったりします。
 ……と、これで『清濁○置』方式3題の、テキトー解説終わり。

ついでに。(2011年2月8日23:34:17追記)

 どれが一番優れてンの?……って聞かれたら、やっぱり答えることは、いつもどおりの方向性になると思う。

  • 英字シフトとかと似た「連続シフト(清濁隣置か清濁別置かを選ぶ)」ってアプローチが好きか、それともNICOLAのような「同期シフト(清濁同置か清濁別置かを選ぶ)」ってアプローチが好きか……によって、あなた自身にとっての答えは決まってくるよ。
  • 「がっちり訓練する!(清濁別置を優先して選ぶ)」ってアプローチが好きか、それとも「緩く使いたい!(清濁同置か清濁隣置かを選ぶ)」ってアプローチが好きか……によって、あなた自身にとっての答えは決まってくるよ。

 ……と、そーゆー話。
 清濁同置と、清濁隣置と、清濁別置の、どれを選ぶと幸せになれるのか解んないよ!ッて人は、↑の設問2個について、自分自身の経験と照らし合わせて考えてみると、案外とすんなり「よさそうな候補」が見つけられるんじゃないかな、と思う。


 実際の優劣は「自身と配列との相対関係」によって決まるのであって、机上の優劣論だけじゃ説明しきれないんですよね……少なくとも机上に「あなた自身」が想定されているとは限らないわけですし。

(かえで新下駄配列を作るために必要な考え方って、要するに「同時打鍵のうち片方の指が清濁同置で、もう片方の指が清濁隣置」なルール、だったのか……。

(過去:清濁同置と、清濁隣置と、清濁別置の、違い……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(「かえで新下駄配列」って、いったいどういう姿である「べき」なのか、ってところに、迷ってる……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(「かえで新下駄配列」を作る前に、「かえで式」でどうやって「文字キー同士同時打鍵」を表現するかで迷いだした……。 - 雑記/えもじならべあそび)


 ……なんか、ちょー難しい課題のような気がしてきたんですけどorz。
 もっとも、以前の検討時点よりは、まだ方針がマシになったような気はするけど。


 ……さて、どうしようかしら。
 配列部分にはまだピンと来るところがないので、しばらく放置しつつ、少しずつ絡み合った糸を解きほぐして行こうと思う。