ソフトバンクの「ホワイトプラン」、面白そうですね。
……とりあえず箇条書き。全部素人の推測なので、本気にしないように。
- 「プランがまた一つ増えた」。今回の欠点はそれだけ。
- 低価格の秘密は「Wireless Local Loop」+「IP Local Loop」なのかも……Willcomは「Wireless IP Local Loop」を構築したけど、Softbankは無線部として既存の「Wireless Local Loop」と、同じく既存のYBB有線部の「IP Local Loop」をSoftbank版ITXで結合させるつもりなのかもしれない……そう推測した理由は後述。
- Willcomの技術屋は「データと音声のトラフィック比は数倍あって、音声のほうがかなり軽い」とか言ってたよなぁ……とすると、「Softbank/YahooBB Wireless Local Loop内部での音声のみ定額」であれば、音声トラフィックが重くないので定額(Willcomつなぎ放題比18%の\980-)でも十分成立する。
- 主なターゲットは「音声トランシーバー代わりに使いたい小規模法人」「シンプルフォン利用者層」「プリペイドケータイ利用者層」など……要するにデータ通信要求がほとんどないユーザ層。これから退職組が増えることを考えると、順当な予測だと思う。
- 利用者はもちろん馬鹿じゃないから「ほとんど利益は出ない」はず。このプランの主眼は「利用者の頭数を確保する」こと──要は「ロングテール狙い」なのかも。利益が出なくとも「利用者数だけ増えればOK」なソフトバンクにしかできない技か。
- Willcomユーザのうち「Willcom音声プランのみ(オプションなし)」での利用者層とバッチリ被る……数十万人が該当するはず。
- トラフィックが増えた場合に備えて、需要予測をしつつSoftbank版ITXを設置しはじめて、音声トラフィックをYBBネットワーク経由で流す方向に向かうと思う。
- 十分にSoftbankITXが普及するめどが立ったら、今度は「YBBフォン←→Softbank携帯端末」を無料化する……と。YBBフォン←→SoftbankITXはYBB網でやり取りするから、今まで(ほかのキャリアではありえないぐらいの)膨大なデータ&IP電話のトラフィックをさばいてきた経験が「無加工でそのまま」生かせる。
- 「トラフィックを使い切ったものが勝者となる」でしたっけ、社長さんの格言……それをうまくプランに置き換えたと思う。
- データ利用者のみが残ると、Willcomはまた前の状態に逆戻りするだろうなぁ……ほとんど消耗戦になりそうな予感。
- ARPUは「単なる平均値」なので、見かけ上かなり下がるはず……でも、プランの性質上「全体的に見れば、原理的に足は出ない」点が面白い。ARPUの考え方に縛られていたら、こういうプランは出てこないし。そして、「売り上げが減っても(SBM WLL化を推進することで)コストを圧縮すれば利益が出る」から、見通しは暗くない。使い古された言葉で言えば「SBMとYBBのシナジーが有効に作用する」という感じかな。
- Willcomが実現可能であって、かつ採りうる対策は「ウィルコム定額プランよりも高いプラン──音声プランではスーパーパックS以上・データプランではデータパック以上──に、例外なく【070定額】を付与してしまう」ぐらいしかないと思う(もう一段上のみを定額にするという方法もあると思うけど)。料金を安くしても無意味で、「実質的な双方向定額ユーザを一気に増やす」ぐらいしかない……けど、Willcomにそれをやる体力があるかどうか。どちらにせよ、そろそろ「片方向定額」の時代は終わりに近づいているのかもしれない。あるいは(前に冗談で書いていた)「シングルプラン」とか。
- 以前短期間放送したCMがどういう効果をもたらすか……いや、その方向ではあまり考えたくないかも。
- 唯一不思議なのは、これで「SoftbankITX←→Softbank無線」をやるための「無線側ソケット」が足りるのか?ということ(前出のとおり、バックボーンはどうにでもなるから心配する必要はないと思う)。午後5時から午後9時の間に基地局で輻輳が発生する可能性があるような……って、もしや基地局増強計画って「輻輳がおきそうなところをセル分割する」ことなのか?そうするとホントに「Willcomの後追い」をやることになる。つまり、今回の発表は「その覚悟ができた」という意思表示なのかもしれない。
- 「固定IP電話の勝者が無線IP電話の勝者になる」──そういう時代が、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。これは他の事業者では真似出来ないよなぁ……。まさに「良い意味でソフトバンクらしい」プラン。