(memo)発送電分離を実施するには、スマートグリッド……というか、『機器選択停電制御』と『受電契約割合に応じた戸別トリップ制御』が必要。で、戸別発電装置はDCローカルループに繋ぐ、と。
例えば、『地熱発電所50%+地域電力会社分50%』として契約してる契約戸において、契約する地熱発電所が出力ゼロとなった場合、次のように契約戸配電盤が制御される。
1.『機器選択停電制御』に対応する機器が、自動的に停止する。
2.配電盤の契約電力量が、一時的に50%(地域電力会社分)へと設定される。
3.契約電力に対し50%(地域電力会社分)以上使っている場合、配電盤の漏電遮断器をトリップさせる。
※3.の実行を阻止するためには、『機器選択停電制御』対象外機器が50%(地域電力会社分)で収まるように、『機器選択停電制御』対応機器および『機器選択停電制御』対応電源タップを使って、自主的かつ自動的に節電を行うようにするのが安全。
この場合、いきなりトリップする発電所が大規模だった場合には、(停電通知が遅れるために『機器選択停電制御』などができず)大規模停電する恐れがある……けれども、これは従来から変わらないこと。
従来から変わるのは、『機器選択停電』に対応する機器は「契約電力会社/配電盤からの制御に応じて自動停止」し、かつ『受電契約割合に応じた戸別トリップ制御』によって個別での負荷規制が行われること……これによって、「ネットワーク経由での停電情報提供が正常に行われれば、供給側と連動して需要側も調節される」ことになるので、「電圧の極端な低下による停電」と「電圧の極端な上昇による停電」の両方を防ぐ事ができる。
戸別発電装置については、従来AC網に接続していたけれど、これは可能であればDCローカルループに接続する……DCローカルループはインバーターを使う機器全般のうち、主に「大電力を発生させる発電機」と「大電力を受電する機器」の為に固定的に使う。
- DCローカルループへの充電……太陽電池、燃料電池、(不足分充電用の)AC網からのAC−DCコンバーター。
- DCローカルループでの蓄電&放電……電気自動車などの化学電池&コンデンサ、家庭用固定化学電池。
- DCローカルループでの負荷……(蓄電による)電気自動車、その他インバーターを使う大電力機器全般。
『発送電分離すると停電ガー』な話、早くスマートグリッド化で解消されるといいですね。
……ってゆーか、2011.3.11大震災のときに(せめてAC網の『機器選択停電制御』だけでもいいので)こうなっていれば、総停電時間はもっと減らせたはずと思う。
節電&省電力化では「需要の波」に対応できないだけに、どうしてもこういう対策は必要。
電力需給については「同時同量」という制約がある……のだけれど、従来は供給側でしかこれを制御できなかった。スマートグリッド化の方向性さえ間違えなければ、ここに「需要側制御」も加える事ができるので、(機器選択停電などをする場面では不利益が生じることと引き換えにして)大規模停電や契約戸全停電などの可能性をぐっと減らす事ができる。