同時打鍵法と、逐次打鍵法の、違い……。
両者は、どっちかが優れてる!……ッてゆー話、じゃない、と。
たとえば、毎秒4かなを出そうとすると、それぞれの入力法では以下のような操作をすることになる。
── | バスのクロック周波数 | バスの物理チャンネル数 | 備考 |
---|---|---|---|
速記同時かな系*1 | 1.6Hz? | 14ch | 静的変換テーブルを用いた、圧縮転送方式……なので、圧縮テーブルを覚えるのが大変*2。 |
複字同時かな系*3 | 3.6Hz? | 2ch | 1モーラを完全1打鍵で表現しようとすると、(姫踊子草/かえでおどり配列のように)定義数が膨大になる |
部分複字同時かな系*4 | 3.8Hz? | 2ch(実効1.8ch?) | ↑と↓の中間の性質。 |
単字同時かな系*5 | 4.0Hz | 2ch(実効1.7ch) | 1モーラではなく1文字単位なので、実効効率は複字同時かな系より落ち、その分変換テーブルはシンプルになってくる。 |
単字逐次かな系*6 | 5.0Hz | 1ch | ↑と↓の中間の性質。 |
単字逐次行段系*7 | 6.9Hz | 1ch | 配列設計さえ間違えなければ覚えやすいし、とにかく「速く打ってる!」感を味わえる。 |
片手単字携帯拡張系*8 | 8.0Hz | 1ch | ↑と↓の中間の性質。 |
片手単字携帯標準系*9 | 9.0Hz | 1ch | ガイドさえ間違えなければ、覚えやすいし忘れにくい。 |
ここでHz(cycle/sec)って単位を使ってる……けど、電気に明るくない人は、そのまんま「打鍵/秒」って置き換えて考えてください。
要は、バスに使う「クロック周波数」と「チャンネル数」の、どっちにどれだけのリソースを割けるか……によって、人それぞれに最大効率は決まってくる、と。
同じ1ch系のものでも、アプローチはいろいろある。
- 行段ルールによる習熟初期の急激な立ち上がりを求めるか、あるいは非行段ルールによる習熟後期の伸びを求めるか。
- 行段ルールによるシンプルな運指連接による高速化を期待するか、あるいは非行段ルールによる多岐の運指連接を許容してクロック周波数の低減を図るか。
- 行段ルールなら、両手交互打鍵による速さを目指すか、片手打鍵による覚えやすさを目指すか。
当然、これは2ch系でも同じ。
- 2chのバスをフルに使って1モーラを全て1打鍵で打ち切るか、あるいは1.7ch分程度の利用にとどめてシンプルな単字系にするか、あるいはその中間性質でいくか。
- 完全1モーラ入力でない場合は、その例外部分について、どう配列側で処置するか。
私の場合は、『単字逐次かな系』(JISかな)からはじめて、つぎに『単字逐次行段系』(ローマ字入力)に移った……これは今でも併用用途で使い続けてる。
……で、『単字逐次行段系』(ローマ字入力)をつかいつつアレコレと試しているうちに、結局はそこから3段上まではざっくり試しつつ、最終的には2段上(かえであすか)にたどり着いた。JISかなと比べれば打鍵速度は2割減しか許容されないけど、ローマ字入力と比べれば打鍵速度は4割減まで許容して、それで同じ文字入力速度が出せる……ので、運指速度が経年劣化しても結構抗えるんじゃないかと。
ケータイについては、一番下からはじめて、結局はその一つ上にある『片手単字携帯拡張系』(かえで携帯配列)にたどり着いた……と。こっちはケータイ標準法と比べれば打鍵速度は2割減しか許容されないから、ちょっと圧縮率が足りてない気もする……けど、その分パソコンとかよりは打つ内容が短いから、まぁなんとかなるかな、と。
鍵盤配列を一つだけ見て、その解説に納得して使い始める……ってのも手だけれど、その周りにはこーゆーふうに配列の関連性がある、ってゆーことをなんとなく把握してから、どれかの配列を使い始めるほうが『必要な快適さを得られなかったとき』に次の配列を探す上で、それなりには役に立つんじゃないかと思ってみたり。
あとは↓とかも……?
(from 鍵盤配列の『乗り換え』が必要になったとき、どういう考え方で「ステップ先(経由地)」と「ジャンプ先(目的地)」を探せば良いのだろうか……。 - 雑記/えもじならべあそび)