『紫苑の書』xion-20101003.pdf版を読了。
(過去:アルカの幻字フォントについて、「出現頻度」を意識したものが公開されてた……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:『紫苑の書』の、正しくない愉しみ方。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:『紫苑の書』、読了。 - 雑記/えもじならべあそび)
ようやく読了……って表現していいのかなぁ。
アルカの部分はあいかわらず「文はトバして、単語は幻日辞典をひいて……」という感じだったけれど、それでいて十分に楽しめた。
私がこんな評価をして良いのかどうかは解らない……けれど、
- 従来版──あくまでも、「新言語の教育用コンテンツ」。
- 現在版──「作中言語」の性質をきっちり取り込んだ、手の込んだ小説。
……という印象。
前回版でも十分に楽しめた……って気はしていたのだけれど、こうして改版されたものを読むと、今回の版について「(言語部分を切り離してもなお)小説として楽しめる要素」が、以前の版よりもより強く出ているように感じる。
全体を通して、かなり面白く読めた……ってところが、個人的には大満足。
これでアルカの部分に「(直接の日本語訳では面白くないので)訳出するためのヒントがPDFの注釈として詰め込まれている状態」だったりすると、『小説として楽しみつつ、(幻日辞典にあたらなくても)アルカをフィールドワーク的に学べる』コンテンツとして完成、なんだろうな……と感じてみたり。
2013/1/22追記
今更気付きました……↓の工夫があって、読みやすくなっています。
一語一語辞書を引く手間を省くため、本文中の単語をクリックすると幻日辞典に跳べるようになっています。
ブラウザ上で見ずに、pdfを一旦ダウンロードしてからAdobe Readerなどでお読みください。
(by http://constructed-language.org/arka/works_sev_1.html)
なので、↑のURLから「紫苑の書」表1の絵をクリックして、xion.pdfをダウンロードしてみてください。
幻字の字形とシナリオは既に『ステータス:◎』になっていて、あとは「どうやってアルカの部分を感じてもらうか」にかかっている……と、その段階に来ていると思う。
幻日辞典はあくまでも辞典で、結局は『単語はPDFからのコピペでひけるけど、成語や文は事実上ひけない』ってところがネックになる……ので、成語や文の解釈について「日本語しか知らない人にとっても、幻日辞典をひかなくても、注釈を読みなれていけば解る」ように誘導していくところが、今後の解決するべきポイントになりそうな気がする。
今後はそういった注釈の部分についての増強を期待したい……けど、それってやっぱり贅沢な要求なんだろうなぁ……と、やっぱりそう思ってしまう。