パナソニック 37V型 液晶 テレビ VIERA TH-37LZ85 フルハイビジョン 2008年モデル、導入初日レビュー。

(未来:シャープの「QUADTRON(クアトロン)」は、Panasonic機のようなややこしさもなく、「設定値を全部真ん中」にすれば、結構マトモな色がでる。 - 雑記/えもじならべあそび)


 チャネル10キーパッドを押すと、「アナログ」「デジタル」「BS」「CS」のうちいずれかのキーが点滅する……と。なんというか、NIRO Referenceのリモコンみたい。
 この仕掛け、Panasonic用リモコンで初期のころからあったのかしら?
 個人的に、ソース選択キーが光る……というのは、2003年に見た「NIRO TWO 6.1-C」が始めてだったのだけれど、それよりも前からこういうのはあったのかなぁ……。


 あと、【パナソニック 250GB DVDレコーダー DIGA DMR-XW100の操作性レビュー。 - 雑記/えもじならべあそび】を書いた直後あたりに出た製品なので、たぶん関係ない……とは思うのだけれど、マニュアルが「手続き思考的に見ても、オブジェクト指向的に見ても、どちらの方向性で取り掛かっても迷いにくい」様に改められていることは○。
 そして、マニュアルの厚み絡みについても、きちんと「基本機能」と「ネットワーク機能」が分冊されていたことも○。
 

 ……そういえば、自宅で比較したときの画質はよくないですね。
 ブラウン管を60点とすると、せいぜい15点とか。
 これでも店頭であれこれチェックしてみた結果……なのだけれど、「液晶同士」で比較してマシだった*1だけの話であって、プラズマと比較するとガッカリ来る状況だったし、いざCRTと入れ替えてみるとショックを隠せないというか……。
 解像度の面では◎になったのだけれど、根本的に液晶じゃダメなんじゃないかという気も。


 設定については、画質調整について白付近と黒付近が飛びまくっていた(ガンマカーブがS字になっている?)ので、「ダイナミック」から「ユーザー調整」にして、調整可能値を全て±0にしました(たしか、「バックライト」と「ピクチャー」が±0ではなかったので、これを±0にしました)。
 始め見た感じでは「ダイナミックのほうがいいじゃん」という感じがする……のですが、オールフラットにして20分も眺めていると、(階調のつぶれが無いので)特に食品類の色飛びが無くなって、自然に見られるようになります。
 (2008年12月31日1:16:00追記:設定内容が少しややこしくなってきたので、最後尾に追記します。)


 ……ってゆーか、画質の初期設定については【店頭用の見栄えがするモード】か【家庭用の目に優しく精細なモード】の2種類から選んでもらうようにするほうがいいんじゃないかと。
 購入初期のモードで家庭視聴を行うというのは、ちょっと現実的ではない(液晶パネルの性能をちっとも生かしていない)気がします。
 正直、購入当初の画質では「15点」なんて点数すら付けられません……せいぜい「3点」とか、そんな感じ。


 なんというか……「店頭用で素人騙しのダメ設定」がデフォルトになっている気がします。
 「極端に明るい店頭向けの、ビビッドで目立つ」セットアップを容易に行えて、かつ「比較的くらい家庭向けの、階調特性が素直で見やすい」セットアップも容易に行えて……となると、そもそも初期設定システムそのものの作り方自体を変えなければならないはずです。
 「売ってしまえばそれで終了」という言われ方が不本意だというのであれば、初期設定メニューにおける「色設定」セットアップを、もっと素直に「店頭向け」と「家庭向け」でざっくり分けてしまうとか、そういう工夫が必要なのかもしれません。
 せっかくフルフラット設定で「IPS液晶のいいところが生きる」素材がある……のだから、その素材を生かす「セットアップ」部分にも、きちんと注視してほしいところです。

  • 「店頭用」に設定すると、全入力の画質調整が【ダイナミック】になる。
  • 「家庭用」に設定すると、全入力の画質調整が【フルフラット(全項目が±0設定)】になる。

……という風にしてもらえると、調整するときの基準がとりやすいと思うのだけれど、実際には色々な項目が調整されてしまった状態がセットになっていて、調整するのに一苦労というのが現状のような。


 ……あと、もう一つ。
 おなじPanasonicブランドとして、「ハイビジョンテレビ対応の3波長蛍光灯(できれば演色AAA、特に丸管タイプ)」を出してほしいところ。
 色評価用の厳密なものではなくてもいいから、現状のPana管にありがちな「緑だけがバンバン出る」タイプじゃなくて、もっと広い帯域で色が出せるものが「(今は層の薄い)丸管タイプで揃う」と良さそうです。


 ……で、調整さえしてしまえば「15点」の品質は出ます。
 ダメなところは「(デフォルトでの)階調表現」「残像」「解像度」「ブロックノイズ」「(液晶だから仕方ないけど、真白と真黒を出したときの)ダイナミックレンジ」「(デジタルだから今は仕方ないけど)出画待ち時間」「画質調整に【フルフラット(全項目が±0設定)】がないこと」。
 いいところは「(フラットに戻せば)階調表現」「(見る角度を変えたときの)色変位性」「(まだこなれていないけれども)DIGAとの連携」あたりかな。


 ……まぁ、はやく「普及CRT機並の60点」が付けられる製品が出てほしいなぁ……と。
 (方向性は正しいと思うので)正常に進化し続ければきちんと到達できるはず……このテレビが寿命で買い替えになるころには、そういう製品がきちんとリリースされていることを期待したいところで。
 (未来については無視して)現時点で許容できるかどうか……という話であれば、「取り合えずは許容できるレベルにはある」と思う。
 マニュアルはよくなってきた……ので、次はとにかく

  • 店頭販促用向けと家庭常用向けとの間を確実に分離した「導入時セットアップソフトウェア」の構築。
    • IPS系液晶の低色変位性を素直に生かすために、家庭常用向けにはビビッド設定などではなく、【フルフラット(全項目が±0設定)】をデフォルトとすること。

に注視してほしいところ。
 そこさえできれば、「導入してからの口コミ効果」が期待できると思う*2

そういえば。

 アナログテレビと比べて、「ノイズが乗ったときの被害が大きい」というところについては閉口させられています……ってゆーか、地デジチューナー付きレコーダーよりもセンシティブなのは何故だorz。

2008年12月28日2:02:00追記。

 映りがよくない場合には、「受信設定──アンテナレベル──受信レベル」をみながら、受信レベルが60を超える接続方法があるかどうかを探すと良さ気。
 うちの場合はあれこれとテストした結果、以下のような接続が良好でした。

バイス 配線 バイス バイス
壁面 × × ×
自作Fケーブル × ×
DIGA XW100 × × ×
↓(導通) DXアンテナ DR3-20 →↓(非導通) →↓(非導通)
VIERA TH-37LZ85 × VHSデッキA VHSデッキB
  • 「壁面→XW100→LZ85」が一番、LZ85で高い受信レベルを確保できた。
    • XW100内蔵のデジタル側分配器は、路線品質を悪化させる要因とはならなかった。
    • VHSデッキ内蔵の分配器は、路線品質を悪化させる要因となった。
  • 全線導通の分配器を使うと、その先にアナログチューナーをつないだ時点で状況が悪化した。
  • モールド成型ではない「自作のアンテナケーブル」を導通路に使うと、その先の状況が悪化した。

 ……と、こういう都合があったので、

  • モールド配線ではない「手加工Fケーブル」を極力導通路から排除。
  • VHSデッキは導通路から排除。

とするように結線変更しました。
 いまのところ、変更後はブロックノイズなども無く、受信環境は良好らしく。

2008年12月31日1:16:00追記。

 たぶん、Panasonic系のプラズマ機・液晶機ともに似たようなものだと思う……のですが、こういう調整項目があったら調整しておくことをお勧めします。

  • メニューボタンを押す。
  • VIERAメニューの「画質を調整する」を選択する。
  • 次の項目を、指示通りに設定する。
    • 映像メニューを「ユーザー」にする。
    • バックライト──±0(中央位置になる)
    • ピクチャー──±0(中央位置になる)
    • 黒レベル──±0(中央位置になる)
    • 色の濃さ──±0(中央位置になる)
    • 色あい──±0(中央位置になる)
    • シャープネス──±0(中央位置になる)
    • 液晶AI──オン
    • 色温度──中(※東芝蛍光灯で「3波長昼白色」の場合)
    • ビビッド──オン
    • 色域自動調整──オフ(色温度検出ではなく、信号内のダイナミックレンジを延伸するもののため)
    • 明るさオート──オン
    • テクニカル──入(「入」にすると、3ページ目の調整項目が表れる)
    • エッジ補正──中(色味には関係なし、お好みに応じて変更してよい)
    • 細部補正──中(色味には関係なし、お好みに応じて変更してよい)
    • 輝度設定──中
    • 黒伸縮──+0(最右端位置になる)
    • 白文字補正──+0(最右端位置になる)
    • ガンマ補正──中

 ……たぶん、これで階調潰れはなくなるはず。
 この調整を、次のシーンで繰り返していってください。

  • 「地上アナログ」ボタン選択直後
  • 地上デジタル」ボタン選択直後
  • 「BS」ボタン選択直後
  • 「CS」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「2(Video1)」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「3(Video2)」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「4(Video3)」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「5(Video4)」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「6(HDMI1)」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「7(HDMI2)」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「8(HDMI3)」ボタン選択直後
  • 「入力切替」→「9(PC)」ボタン選択直後

 ……ってゆーか、ホントに「一括設定」が欲しくなりますね……orz。

2009年1月5日19:30:54追記。

 PanasonicのBS/CS機器同士を接続するときには、必ず次のようにする必要があります。

  • 全てのBSアンテナ向け電源をONにする。
  • 分配器を使うときには「全端子通電タイプ」を使う。「1端子通電」はダメ。

 理由は以下の通り。

  • 各機器は「自身が受像するときのみ」BS電源をONにして、それ以外の時にはBS電源がOFFになる、いわゆる省エネ設計である。
  • ↑を満たすために、Panasonicの機器は「2つ以上のBS電源がONになって並列接続されていても動く」ように設計されているので、BS電源のショートについて気にする必要はない。
    • 上記について理解していないと、「テレビの電源が入っているかどうかで、レコーダによる録画の可否が決まってしまう」とか、「レコーダの電源が入っているかどうかで、テレビ視聴の可否が決まってしまう」とかいう現象にぶち当たる。
  • BS電源電圧は統一されているし、重畳パルスもないので、並列接続しても問題が発生しない。
    • 124°CS/128°CSの受信用アンテナは、水平偏波垂直偏波の受信波選択を「電源電圧」で区別し、東経124°CS衛星と東経128°CS衛星の受信波選択を「パルスの有無」で選択する(CSアンテナに対して制御線を別途用意するのではなく、CSアンテナへの給電方法を細工することによって、受信するべき偏波&受信したい衛星の東経を指定する方式)ので、124°CS/128°CSの受信用アンテナと同チューナーは「必ず1対1で接続しなければならない」のだけれど、BS&110°CSの場合はそういう制御をしていないので、並列接続をしてもいい……と。

 このあたりはメーカーによって違うかもしれないので、その点には注意。

*1:色々見たけど、店頭評価で「10点」に達する液晶テレビというのは、そもそも見たことがないんですよね……TN系は「0点」、PVA系は「1点」、ASV系は「2点」とか、まぁ……そんな感じ。後述してるけど、店頭セッティングは「人を馬鹿にしたかのような設定」になりがちで、どうにも評価しようがないという問題も。テレビの販売スペースだけを家庭照明並の照度にすれば、こういう馬鹿げたセッティングは駆逐されそうな気がする。

*2:正直、このテレビの「ビビッド設定」が解除できたからこそマトモに書いてる……のだけれど、あの設定のまま家庭で使えといわれたら、速攻で窓から投げ捨ててるよ……。