「情報処理装置用キーボード配列」(JIS X)の検討開始……って、何の準備もしてねーよ(泣)。

(過去:【4月1日終了直前】JIS X 4064について、2009年度改定に向けての公式レビューが開始されたようです。 - 雑記/えもじならべあそび)


http://suzumizaki.at.infoseek.co.jp/himeodorikosou/20020225.html
 上記のような「レビュー」の前段階となる「原案作成」が、いきなり始まることになったようです。


 事の発端は……たぶんNICOLAフォーラム。
http://nicola.sunicom.co.jp/cgi/wf_begin/wf_b_forum.plx?no=1514&reno=1513&oya=1511&mode=msgview&page=0
 こういう方法で「実際に検討段階に入る」ということ自体に、正直かなり驚いています。


現在の状態は次のとおり。
http://www.jisc.go.jp/jis-act/drafts-preparation.html
PDFファイル2008年 7月(PDFファイル 61.2KB)
http://www.jisc.go.jp/jis-act/pdf/seitei200807.pdf


 とりあえず利害関係者のリストを作って、けん盤配列リストを添付して、手元で書いたことがある素案もどきを拾い上げて……という感じだろうか。
 感情論や詭弁をきちんと排除して、理詰めで書く……というのは難しそう(というか、今それに取り組み始めたばかりなんですよorz)なのだけれど、原案ができてしまった後からでは大きな転換ができなくなるはずなので、はじめの段階で「表現するべきこと」を表現しておかないと。


 私が言うべきことは、以下のとおりになる……のだろうか。
 この際、私個人の主観なんてどーでもいい*1から、「私が今までの立場として言うべきこと」に絞らないと、とてもじゃないけど収拾が付かないと思う。

 んー……間に合うかどうか、全く自信がないですよorz。

こういう方向性で書くかも。

  • 「私にはこういう配列遍歴があり、移行のたびに利用環境の構築に四苦八苦してきました。理由は(以下略)。」
  • 「私はこんなものを作り使っています。理由は(以下略)。」
  • 「他にも同様の考え方で、似た異なる結果を導き出している人がいます。理由は(以下略)。」
  • 「従来はけん盤配列がハードウェアに縛られていて、無益なシェア争いが起きました……が、それを繰り返すべきではありませんし、その必要すらありません。理由は(以下略)。」
  • 「既存のJIS X 6002と、既存のJIS X 4063経由のローマ字入力についても、このフレームワーク内に収容することが望ましいです。理由は(以下略)。」──これは不要かも?
  • 「以上のことから、今後のけん盤配列に単独の配列だけを規定するのは適当ではなく、「(イネーブラを含む)多様性を実現させる能力」が必要です。」

 ……という感じかな。
 この方向性で【各配列の作者さんが、それぞれに】主張することが重要だと思う。
 ロジックを書くときには「自分自身に突っ込みを入れて、とにかく「なぜ?」をすべて書く」こと。そのためには、「主張はシンプルに、根拠は厚く。堂々巡りにならないよう気をつける」ことが必要……と。

親指シフターさんに対するネタ。

 上記に注意する必要がありそうです。
 「衰退した現状」という捉え方になるタイプの復活を求める方向は止めて、「ゼロから徐々に利用者が増え始めている」部分にフォーカスするべき、と。
 ちなみにこれは、たぶん親指シフトに限らず「TRONかな」「新JISかな」「旧50音かな」「M式」にも共通する事柄だと思われますので、かつてハードウェアとしての製品普及がある程度進んでしまったことがある規格を推す場合には、十分にご注意いただく必要があると思われます。
 それと、親指シフトをさも「障害がある方は使えない」かのように書くのは変です(かつてのJIS化案が考慮していないだけで、元の言及されていますから)。すくなくとも、【「親指シフト系配列」は、まとめてNICOLAの「アクセシビリティ対応」によって実装されるべき!? - 雑記/えもじならべあそび】のような方法をとって、きちんとしたフォローを行うようにしてください。

月配列系をお使いの方に対するネタ。

 ……「ロマかな定義経由ではなく、月配列に対して本質対応するしかけが必要!」ってことを表明するチャンスでもあり、その必要があると感じています。

とりあえず、次の方が持つBlogコメント欄に、概要をポストしました。

  • Rayさん。
  • 鈴見咲さん。
  • 冨樫さん(@「風」&「花」、メール経由)。──2008年7月23日0:00:21追記。
  • パーソナルメディアさん(@TRONかな/BTRONシステム製造者、メール経由)。──2008年7月23日0:00:21追記。
  • Qプレスさん(@M式、メール経由)。──2008年7月23日0:00:21追記。
  • 木村さん(@AZIK/ACT、メール経由)。──2008年7月23日0:22:33追記。
  • テクノツールさん(あいうえおキーボード、メール経由)──2008年7月27日15:41:43追記。
  • ナラコムさん(ナラコード、メール経由)──2008年7月27日15:41:43追記。
  • アクテブライズさん(ノータッチキーボード、メール経由)──2008年7月27日15:41:43追記。
  • kncnetさん(あかさたなキーボード)──2008年7月27日15:41:43追記。


 ほかに、「この方には直接知らせないと、もしかすると気づいてないかもしれない……」と思い当たる方がいらっしゃいましたら、直接ご本人が目にするであろう方法でお知らせいただくべきかもしれません。

とりあえず、以下の文をNICOLAフォーラムにポストしてきた。

 今回皆様が行われるであろう意見陳述に関しまして、いくつか手元のメモをご案内させていただきたく思います。
 これらを皆様の意見陳述内容へと、多少でも反映していただけるとうれしい……と個人的には考えていますが、その点について私は意見できる立場にはないと考えております。


 1.基本的な実現方法について。
 「特定のキー配列」として実装するのではなく、「複数のキー配列を切り替えられる仕組み(≒手動で配列定義を差し替えて)」として実装される仕掛けであることを期待します。
 http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20070301/1172679005
 「賛成できるという方をなるべく増やすこと」にフォーカスをあてる価値があるのかもしれません。


 2.キーボードの扱いについて。
 物体としての「親指シフトキーボード」を規定する方法をとる場合、JIS化するための用件を満たせない可能性があるかもしれない、という点が気がかりです。
 http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20060512/1147458164
 「ソフトウェアエミュレーション」には、こういった心配がほとんどないというところがあります。


 3.一本指打鍵法への対応などについて。
 「現状の」NICOLA/JIS規格化案には、いわゆるアクセシビリティ対応(TRONではイネーブラ、新JISでは逐次打鍵と呼ばれるもの)が含まれていません……が、「元々の」親指シフト仕様書には、一本指打鍵法に対する配慮が含まれています(どちらの話も、NICOLAで文書が公開されています)。
 http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20060522/1148247937
 イネーブラがらみは「OS側と連携しなければ誤動作の原因にすらなりうる」という特徴がありますので、これらはあらかじめ規格に入れ込んでおく必要がありそうです。


 親指シフト(NICOLA)とその周辺配列のみを定義できればよい……という方向であれば、以下のような案を底に使うことができるはずです。
 http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20060520/1148134023
 ただし、個人的には、一番はじめに示したURLのような、「(少なくとも姫踊子草/繭姫レベルの自由度がある)キー配列入れ替えツール」スタイルの規格が必要だと考えています。
 そして、これ以外に「(配列系の専門家さんから反対されることなく)安定してJIS化提案を通せる方法」というのは、全くないのではないかと想像しています……。


 以上、長文失礼いたしました。

よくよく読んでみて、ようやく気づいた。

 初回には「概要」だけを送って、本陳述は別の機会に送る……というスタイル、らしい。

(2008年7月22日23:00:02)言及するべきポイントの追加点。

  • 流行り廃りや、あるいは時代の変化などに左右される「UIそのもの」ではなく、流行り廃りや、あるいは時代の変化などには左右されない「UIを支える仕掛け」が必要であることを認知してもらうこと。
    • 既存入力法(JIS X 6002かな、JIS X 4063/Qwertyローマ字)を含めたすべての入力法について、リソースが許す限り多くの入力法を収容し、また扱えるようにすること。
    • もう「JIS X 6004」のときのように「(商業的にダメだったというだけで)実使用者がいるにもかかわらず使用実態なしとする」ようなシーンは繰り返して欲しくない。
      • NICOLAは20年後、JISカナは40年後、Qwertyロマかなは60年後とかに、そういうときが来てもおかしくないので……「配列単独規格」のばあい、こういう不安と常に付き合わなきゃならないところが怖い。

*1:正直、「今の私の主観」で物事を記述したら、「将来の自分」さえも裏切ってしまうかもしれないので……そんな馬鹿なことを防ぐためには、「私個人の主観」なんてとてもじゃないけど当てにならないわけで。

*2:こういう表現は好ましくはない……のだけれど、関係としては「シェア争いに負けた≠ダメな配列」なので、あえてこう表現するほうが「伝わりやすい」と思う。

*3:ほとんどがネット公開であり、紙文書としては出ていないところがネック。

*4:ここで「JISかな経由に特有の障害に苦しんできた既存デバイス(NICOLA(親指シフト)、ノータッチキーボード(http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20071022/1192983812)。)」と「それを避けるためにロマかな方向でいくしかなかった入力法(あかさたなキーボード)」などについてとりあげる必要がある。

*5:ここで既存の入力法を含めないと、後のシェア変動によって「使用実態」がらみの面倒が起きてしまう。