dbx Driverack PAを使って「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その4。
(未来:AirMac Expressよ、さよなら。そして、ありがとう……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(簡易機器:商品が見つかりません|サウンドハウス)
(未来:妄想は、いつの間にか現実になる……という法則。 - 雑記/えもじならべあそび)
(外部:音の焦点?「中音域~高音域間のトーンコンパス」を補正する方法・単純素子調整編 - かんがえなしですオーディオ@Wiki - アットウィキ)
(未来:「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その7──超手抜きコピペ版──。 - 雑記/えもじならべあそび)
(未来:「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その6。 - 雑記/えもじならべあそび)
(未来:(メモ)プロケーブルさんが勝手に割り当てている「音の焦点」というものは、「等ラウドネス曲線」か「過渡応答特性一致」」には絡んでいて、「ダンピングファクタ」には絡んでいない? - 雑記/えもじならべあそび)
(未来:JBL/JRX115配線メモ(後に【音の焦点をプラセボ少な目で調整するための実験回路その5】となる部分を追記。)。 - 雑記/えもじならべあそび)
(未来:MOGAMI2534(マイクロフォン&ライン兼用ケーブル)とノイトリック製プラグ類を組み合わせた配線を作るためのメモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:dbx DRIVERACK PAメモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:音響メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:音響メモ──「音の焦点」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その3。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:似非プロケーブル環境関連メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(メモ)ONKYOのSE-U55SX(SE-U55GXでも同じ)を買うべきか、あるいはROLANDのUA-25からONKYOのSE-U55Xに光接続でつなぐべきかを検討してみた。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)その2。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:音の焦点メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:プロケーブル語の「音の焦点」「音響」メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:音響ネタについてのメモ(0:55AM記録開始、7:59AM記録終了)。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)。 - 雑記/えもじならべあそび)
去年の夏から買うかどうかで迷いまくっていた「Driverack PA」について、結局買ってしまい、少し妄想していました……というところから、少しだけ進みました。
結論を先に言ってしまうと、
【で、音の焦点って、何?ただ高音を調整できても、距離感なんて変わらないけど。】
……という感じだったので、その点ではがっかりしたのだけれど。
#正直、ここは「アナログだからどう、デジタルだからどう」とかいう以前の問題。
とりあえず、Driverack PA を使って「とりあえず納得できる音」は出たので、そのあたりについて記録しておくことに。
そもそも、dbx Driverack PAって何ですか。
一つ目の役割は、ミキサーからの1ステレオ入力を、メインアンプへの1〜3の帯域に分割したステレオで出力するためのシロモノです。いわゆる「チャンネルデバイダ」。
一般的には、2〜3Wayのスピーカに内蔵されているネットワーク基板を外して、ネットワーク基板の代わりに「各ユニットへ送るべき帯域を分割」するために使います。
この場合、本機はスピーカを鳴らすだけの電力を送出できないので、本機のあとにメインアンプを必要数だけつないでやる必要があります。
したがって、アンプの台数がかさんでしまうのですが、ネットワーク基板によるロスが発生せず、「アンプから突っ込む電力が、ネットワーク基板に食われてしまう&アンプのダンピングファクタが、ネットワーク基板のせいで低くなってしまう」ということなくスピーカを駆動できます。
アンプ本来の性能を存分に引き出すことが出来る……というのが、この手の魅力、なのかも。
……ただ、今回は
- Mackieのミキサーには「表の2バス(MainMix)」の他に、おまけとして「裏の2バス(Mute/Alt)がある」ので、それをうまく使えばDriverack PAの分割出力を合成してしまうことが出来る。
- これにより、スピーカのネットワーク基板はそのまま使いつつ、アンプも2chのもの1台のみで、チャンネルデバイダによる調整(特定ユニットのための音量調整機能)を使うことが出来る……と。要するに手抜きですな^^;。
という方法を使っているので、まじめにチャンネルデバイダとして使っているわけではありませんけれども。
今回は、1500Hzを境に6dB/Octで分割して、HF側だけを本機で弄っていく……という目的のためにつかっています。
#当然、こういう方法なので「HF側の音量だけを上下動させると、実質的なクロス周波数はズレていく」のですが、今回は【そこは気にしない】ことにしました^^;。
二つ目の役割は、「同じ部屋にマイクとスピーカを置いたときに発生しやすい、ハウリングを自動的に抑制する」という、ハウリング除去機能。
家でカラオケをするわけではなく、普通のオーディオ用途として使うには「どう考えても要らない」機能だと思っていた……のですが、今回はこいつを使って「部屋で鳴らしたときに極端なピークになるところ(定在波による共振系のものと、系の非直線的な周波数特性によるものの2点)の除去」を試みました。
定在波による「部屋という箱モノの」共振を抑制する方法は「共振が成立しないように拡散材か吸音材をつかう」「広い面で共振しなければ目立たないので、部屋の平行面を減らす」「共振に必要なエネルギーを与えないように、共振する帯域の出力をそもそも規制する」などがあるわけですが、今回は3番目のアプローチで攻めてみようかと。
この3番目のアプローチは、定在波に対してだけピンポイントに効くわけではないので、副作用が結構大きいかも……と心配していたのですが、実際に使ってみた感じでは「普段ならにじんで聞こえてしまうような、特定帯域の癖がきれいにとれている」という状況で、これは使ってみて結構正解だったかも?と感じています。
ちなみにこれは、プラセボということはないはず……何度も「セーブした調整済みデータ」と「無効にしてからセーブし直したデータ」との間で比較試聴して(セーブしたデータのロードについてはデータジョグの回転&押下のみで簡単に出来る)、印象が変わるということを確認済みです。
#とはいえ、実際にはきちんと測定して確かめてみたいところです……。
三つ目の役目は、「ミキサー→DriverackPA→メインアンプ→スピーカ→部屋→測定用マイク→DriverackPAのRTA回路」に渡っての帯域バランスをGEQベースでフラットにするための、オートイコライザ機能。
うちで聞く音量が小さすぎる(or測定用のBehringerマイクロホンが感度低すぎ?)ために、とんでもない大音量が必要で挫折し掛けた……のですが、とりあえずスピーカにマイクロホンを30cm程度まで近づけて、なんとかオートイコライザを掛けてみました。
このあたりは「まっとうなマイクアンプをRTA回路にかませて、もっと小さな音量でもオートイコライザが掛けられるようにする」必要があるかも……という反省をしているのですが、とりあえずは至近距離測定らしく「低音と高音があがり気味」なバランスにはなった(仕方がないので、下のほう2バンドと一番上のバンドは手動で調整しました)……ので、今のところここは課題として残しておくことに。
測定条件(でかい音を出す覚悟を決めるか、必要なRTA用のマイクアンプを確保する)さえ整えれば、結構いい感じに自動調整がきくはずです。
……そのほかにもいくつかの機能があるのですが、マルチアンプにしなきゃ要らないとか、そもそもそんな調整できねーよ!とかいう類のものだったりするので、今回はスルーする方向で。
dbx Driverack PAのインストール&初期設定方法。
……普通に接続して、普通にセットアップウィザードで設定してください。
セットアップウィザードで設定する場合、ほとんどは「Custom」にすれば大丈夫でしょう。
ネットワーク内蔵スピーカを使う場合は「Custom Passive」スピーカを選択して、ネットワークを使わずにこいつのチャンネルデバイダ機能+複数のアンプを使う場合は「Custom Biamp」スピーカを選択する……というところを除けば、システムセットアップウィザードについては特に迷うところはないと思います。
あっ、グラフィックイコライザを「Stereo Link」にするか「Dual Mono」にするか……という項目がありますが、これは「グライコを左右連動(Link)で調整できる」ようにするか、あるいは「グライコを左右独立で調整できる」ようにするか、という意味です。後にAutoGEQを使うときに「左右を一回で(Link)測定する」か、あるいは「左右別々に測定する」か、という違いが出てきます。個人的には必ず「Dual Mono」にしておく*1ことをお勧めしたいです。
うちの場合はちょっと特殊な結線をしました。
DriverackPA本体の他に用意したものは、【ミキサー→DriverackPA用の、TRS→XLRオス×2ch】と【DriverackPA→ミキサー用の、XLRメス→TRS×2ch×2band】です。このケーブルはそれぞれ3Mずつの長さで制作したので、うちの6畳間であれば余裕で「普段の聴取位置に腰掛けて、DriverackPAを膝の上に載せて、そのままデータジョグでHFの音量調整を行える」状況となっています。
- Mackie/1402VLZ3は、1-6chを外部入力用として使い、これらのMute/Altボタンを押し込んで使った。
- このとき、ミキサーの1-6chは「小さな別ミキサー」として使っている。ゆえに、本体パネルにある「ASSIGN TO MAIN MIX」ボタンは、決して押し込んではならない(信号がループしてしまい、発振するおそれがある)。
- Mute/Altボタンが押し込まれたチャンネルの音声は、背面のALT OUTPUTから出力される。
- Mackie/1402VLZ3背面のALT OUTPUTから出力した音声は、Driverack PAに入力する。
- Driverack PAから出力した音声(HighとLowからそれぞれ2chずつ)は、ミキサーの7/9/11/13チャネルに導入する(これらのチャネルのMute/Altボタンを押し込むと発振するおそれがあるので、決して押し込んではならない)。ミキサー側では音の焦点あわせ調整は行わない(細かな数値管理が出来ない)ので、ミキサーの7/9/11/13チャネルはそれぞれ全く同じ入力ゲイン・全く同じスライダ位置・イコライザ類はすべてユニティにしておく。
- 手元では、ch7=左低域(PANPOTはL側に回しきる)/ch9=左高域(PANPOTはL側に回しきる)/ch11=右高域(PANPOTはR側に回しきる)/ch13=右高域(PANPOTはR側に回しきる)として使いました……が、このあたりは個々の趣味で割り振れば良いと思います。
- メインアウトからは、通常通り一つのメインアンプへと信号をおくる。
……という感じで、「Driverack PAをミキサーの外部フィルタとして」つかうように接続しています。
マルチアンプ化する場合には、Driverack PA→ミキサーの戻り結線をミキサー側から外して、アンプへと直接接続するだけ……なので、応用性は十分あるかな、と。
dbx Driverack PAのチャンネルデバイダ調整方法。
セットアップウィザードを終了してから、測定をするまでの間に設定しないといけません。
……このあたりは個々人の環境に応じていろいろだと思うので、詳しく書いても意味はないかと。
チャンネル分割を行わずに、普通のパッシブスピーカにつないで、かつ「音の焦点実験」をしないのであれば、ここは弄る必要がありません。
手元環境では、とりあえずミキサーで合成することを前提に、
- LF……20Hz〜1.5KHz(BW6)。
- HF……1.5KHz(BW6)〜。
という設定をしてみました。
マルチアンプで使う場合、HFのローカットカーブがBW6では緩すぎる(トゥイータをとばしてしまうおそれがある)ので、トゥイータに付属のデータシートなどを参考に設定してください。
それと、LFのローカットは「fo以下の信号をスピーカに突っ込まないため」に必要なので、出来ればもう少し高いところに置く方がいいかと……まぁ、DCが素通りするような設定にさえしなければ、何とかなりそうな気はしますけれども。このあたりはソースによっても違ってくるので、適当に決めてくださいな……ということで。
dbx Driverack PAを使った、定在波抑制(?)方法。
ウィザード機能では3つ目にかかれている「AFSウィザード」ですが、ここでは2番目の「オートEQウィザード」よりも先に(=オートEQを掛けてしまうよりも前に)実行します。
この作業を行うためには、【測定用マイクロホン×1本】と【測定用マイクロホン用のマイクケーブル、XLRメス→XLRオス×1本】が追加で必要です。
- 普段の聴取点にマイクスタンドを立てて、測定用のフラットマイクを立てます。このマイクロホンは「スピーカから出る音を拾って、わざとハウリングを起こす」ために使います。
- ミキサー側の1-6チャネルのうちどれか一つに、測定用のフラットマイクを接続します。マイクゲインはめいいっぱいぐらいに設定(ミキサーのピークメーター一番上のランプがつかない程度)します。
- で、ミキサーの背面にある「ファントム電源スイッチ」をOnにします。
- Driverack PAの「AFSウィザード」を立ち上げて、指示通りにミキサーのフェーダーを下げます。
- フィルタは一端決めたら固定的に使うので、すべて「Fixed」フィルタにしてください。「Live」フィルタは自動的にフィルタを解除して使い回す設定なので、現場で使うにはいいのですがオーディオルームで使うには「よけいなお世話」なので、Liveフィルタにフィルタを割り振る必要はありません。
- フィルタの種類は、最もよけいな帯域を削りにくい「Music High」を選択してください。
- 「超狭帯域で」という条件が付かなければ、後続のAutoGEQで用が足りる……のですが、AutoGEQにかぎらずGEQの調整というのは「数バンド離れたところにまで影響してしまうシロモノ(この辺はPA入門書を参照すればよく解ると思う)」なので、ピンポイントで特定周波数をKillしたい今回の使い方には全く向いていません。そして、「超狭帯域で」指定するようなフィルタを手動で設定していくのは無理がありすぎるので、「結果として」自動調整に任せるしかない……というのが実際のところです。
- 徐々にフェーダーを上げるように指示されるので、「すさまじい音量のハウリングを立て続けに起こす覚悟」を決めた上で、徐々にフェーダーを上げていきます。
- ピーピーとハウリングがなったら、フェーダーを下げずに一端フェーダーから手を離してください。Driverack PAがハウリングを検知して、2秒ほどでその帯域のハウリングが選択的に鳴りやみます(鳴った瞬間にフェーダーを下げてしまうと検知できないので、それをやるとよけいに時間が掛かってしまう)。
- 画面上の「F」の文字が「白地に青」のものが残っている間は、設定可能なフィルタが余っているので、これがある限りは少しずつフェーダーを上げていきます。画面上の「F」の文字がすべて「青地に白」になったら、その時点でフィルタを使い切ったことになるので、そこからフェーダーを下げます(それ以上フェーダーを上げてハウリングを起こしても、もう他の帯域にあるハウリングは除去できないので)。
- ここまでの操作をすることで、系に存在する極端なピークをカットすることが出来ます。
- ただし、この操作で「定在波」の発生帯域を押さえられているかどうかは微妙……部屋の構造による共振よりも強い共振が発生しうる場合はそちらですべてフィルタが使い果たされてしまうので、実際に効くかどうかは一種の賭けになっていたり。
- ハウリング除去の作業が終了したら、ミキサーの背面にある「ファントム電源スイッチ」をOffにしてから、ミキサーにつないでいたマイクケーブルを外します。ミキサー側のゲインやスライダを動かしていた場合には、元に戻しておく方がいいでしょう。
dbx Driverack PAを使った、系の癖を打ち消す方法。
ウィザード機能では2つ目にかかれている「オートEQウィザード」を使用します。
この作業を行うためには、先のAFSで使用したものと同じく【測定用マイクロホン×1本】と【測定用マイクロホン用のマイクケーブル、XLRメス→XLRオス×1本】が必要です。このマイクロホンはDriverackPAへと直接接続するため、感度調整が出来ません。マイクロホンの感度が低い場合にはさらに【測定用マイクロホン用のマイクケーブル、XLRメス→XLRオス×1本】と【マイクロホン用プリアンプorプリアンプ代用のコンパクトミキサー】が必要になるかもしれません。
- 先にハウリング検知用に使用していたマイクロホンのケーブルを、DriverackPAの前面にあるRTA端子へとつなぎ変えます。
- RTAを使うときに使われるピンクノイズを拾ったときに、「もうこれ以上音量を上げたくないよ!という状況なのに、それでもまだDriverackPA本体には【もっと音量を上げろ】という指示が出続ける」というシーンに出会うときがあるかもしれません。そういうシーンに出会ったときには、測定用マイクとDriverackPA(RTA端子)の間に、マイク用プリアンプ(または代用品としてのコンパクトミキサー)が必要になるかもしれません……というか、よほどの爆音で聞くことが日常というのでない限り、一般家庭でRTA使うためには、この手のマイク用プリアンプの力を使う(か、より感度の高いマイクロホンを使う)必要があるかもしれません。
- あとは、指示通りに操作します。「こんなにでかいピンクノイズを出さなきゃ測定できないの?」という感じになるかもしれませんが、そういうときには我慢するか、あるいはマイクプリアンプの力を借りましょう。一番始めのセットアップで「Dual Mono」を選択していた場合には、左チャネル単独でまず測定されて、それが終わってから右チャネルの測定がなされます。
dbx Driverack PAをつかった、音の焦点あわせ(?)方法。
クロスオーバー設定から弄ることが出来ます。
うちでは、英会話教材CDと中国語発音CDを聞きつつ、HF側(1.5kHz/BW6)を-2.7dBに設定したところで「まぁ、これぐらいがしっくり来るかも?」という感じになったので、そのポイントにしました。
ただし……ケーブルを変えたり伸縮させたりしたときと全く変わることなく、今回も【音の焦点ってなんだよ。ただ高音域の音量が変わるだけで、距離感なんて変わらないじゃん。】という印象だったということだけは、ここで偽ることなく記録しておく必要があるなぁ……と。
ここまでのデータの保存方法。
設定が終わったら、このデータを保存します。
「STORE」ボタンを押して、任意の名前を付けて保存しましょう。
名前は単に「人間にとってわかりやすくするためのラベル」であって、機械側ではデータを「バンク番号(ユーザー用のバンクはU1〜U25)」で管理しています。
始めに設定したデータは、あとから何度も呼び出すことになると思うので、これはユーザバンクの一番始め(U1)に保存することをお勧めします。
データのロード方法。
まず、「PROGRAM/ESCAPE」ボタンを押します。
そして、適当なバンクをデータジョグを回して選びます。データジョグを押すと、そのデータがロードされます。現在選択されているバンクのところでデータジョグを押しても何も変化しませんので、その点には注意。
ユーザバンクのU1をロードして、それを弄ったものを再保存する……という場合には、見分けがつく名前を付けて、ユーザバンクのU1以外の場所に保存しましょう。
ちなみに、私はユーザバンクをこんな感じで使っています。
- U1……「AFS&EQ 2X4」、1.5KHz分割・AFS済み・AutoEQ済みのデータ。
- U2……「OnlyAFS 2X4」、U1をロードしてから「AutoEQ設定をフラットに戻した」データの再保存分。
- U3……「Only EQ 2X4」、U1をロードしてから「AFS設定をクリアした」データの再保存分。
- U4……「Do Norm 2X4」、U1をロードしてから「AutoEQ設定とAFS設定をクリアした」データの再保存分。
- U5……「RTA&EQ−2.7d」、U1をロードしてから「クロスオーパ設定でHF側(1.5kHz/BW6)を-2.7dBにした」データの再保存分。
- U6……「OnlyFS−2.7d」、U2をロードしてから「クロスオーパ設定でHF側(1.5kHz/BW6)を-2.7dBにした」データの再保存分。
- U7……「OnlyEQ−2.7d」、U3をロードしてから「クロスオーパ設定でHF側(1.5kHz/BW6)を-2.7dBにした」データの再保存分。
- U8……「DoNorm−2.7d」、U4をロードしてから「クロスオーパ設定でHF側(1.5kHz/BW6)を-2.7dBにした」データの再保存分。
この状態で、普段使っているのは「U5」ですね……。
マイクアンプを買って、普通の音量&普段の聴取位置でもAutoEQを掛けられるようになったら、ふたたびU1を更新して、そこから派生データであるU2〜U8を作り直したいと思います。
(2008年4月20日19:53:48追記)
グラフィックイコライザのところを弄っていて思ったのだけれど、結構GEQって音質が劣化するなぁ……と。
で、「Roland/UA-25をマイクアンプもどきとしてRTA端子につなぐという無謀な計画」が当たり前のように失敗したので……現状のまま「超近接でRTAedしたデータを使っていると、どうしてもバランスが狂って聞こえるところがある」というところが、どんどん気になってきてしまいました。
……この絡みから、普段使い用のデータを「U2」へと変更してみることにしました。
↑を書いてから、HF側が-2.7dBでは落ちすぎのように感じたので、AFSのみの状態で再び聴取試験をしてみました……今度は-1.9dBあたりが良い感じだったので、下のデータを新たに追加しました。#そもそも「HF側が-2.7dB」ってのは、グライコ込みの特性を補償するためのものなので、グライコをゼロ設定に戻したあとの現行状態(U2)では、HFを落とすべき値というのは変わって当然なのかも?
あとはマイクプリを買ってみて、RTAをやり直してみてから決めたいところです。
GEQ自体は「設定としてフラットで済む部分はそのままにしておく方が良い」ぐらいのシロモノなので、当てになる設定を収録できる環境が整うまでは、ひとまずお預け、ということで。
それにしても、意外とAFSって「地味なのに効果がある」よなぁ……と。
「全部入りのDriverackPAを買ったから気づいただけ」ともいえるのだけれど、実はASF224だけを導入していても、結構幸せになれた……とは限らないか。
「いろいろ実験してみて、自分で納得いったからこそ意味がある」とすると、結局始めて選ぶ機器として「全部入りのDriverackPA」を買ったというのは、大正解だった……ということか。
それぞれの機器をバラバラのコンポーネントで買ってしまうと【買ったからには全部生かさないともったいない!】と思ってしまいがち……なのだけれど、DriverackPAを使う限りは【気に入ればその機能をOnにして、気に入らなければその機能をOffにするだけ】なので、精神衛生上つらくないというのも良いかも。
総合的な感想。
ええと……なんというか、「和室らしさ」「DIATONEらしさ」が消えてしまって、妙に精気のない音になったなぁ……という印象が、まず真っ先に来ました。
その代わりに、「間隔をえらく広げているはずなスピーカ同士の真ん中に、普段なら絶対繋がってくれないくらいに低い夜間聴取用音量で聞いていても、きちんとほぼ真ん中に音が定位する」「普段はヘッドフォンでしか聴けないような、スピーカで聴けばマスクされてしまうはずの音が、普通にスピーカからでも比較的容易に聴取できる」という感じになっています。
聞き込んでいって始めて「ああ、これはいいねぇ。」と解る……という、ちょうどSTAXのイヤースピーカのような感触(これも良さがわかりにくいという意味では同類)で、いまは個人的には結構気に入っていたり。
うーん……もしかして、「ハウリング除去(超驚帯域フィルタ)」と「オートイコライザ(1/3Octの自動イコライザ)」の組み合わせって、結構有効なのだろうか?
ぱっと比較試聴する限りでは、聴感にはあまり影響がない「ハウリング除去(超驚帯域フィルタ)」の方が音にじみに対する効果が大きくて、「オートイコライザ(1/3Octの自動イコライザ)」はスピーカと部屋の組み合わせによる癖を逆補正しているような、そういう印象を受けています。
いわゆる「音の焦点方面」ではなんの成果もなかった(むしろ疑義がふくらんだだけ)のだけれど、製品としてのDriverackPAそのものは、弄り甲斐もあるし「小さな筐体で必要なことがひとそろい実験出来る」ので、個人的な願望を満たすためにはばっちり!という感じ。
ただ、AD変換をかませて再度DA変換していることによる劣化感というのは、微妙に感じてしまいます……直接デジタル信号をDriverackPAへと導入できれば良いのだけれど、そういう芸当が出来るのはDriverack4800(とPC制御前提の4820)なんですよね……こいつが定価57万の8掛け売りとか、正直あり得ない価格なので呆然としていたりorz。
まー、いずれにせよ、家庭で導入すると「価格に見合うナイスなオモチャ」になりそうな感じ。
デジタルミキサーを導入するのは躊躇するけど、こいつの機能+デジタル入出力が丸ごと入ったデジミキだったら欲しいかも(ただ、一般用途ではそんなの使わないから、たぶん発売はされないだろうけれども)。
(2008年4月20日17:01:12追記)今回買ったdbx DriverackPAと、Behringer ULTRADRIVE PRO DCX2496との違い。
価格が倍近く違う両者ですが、基本的に設計思想が異なっているようです。
dbx DriverackPA が高価な理由は不明ですが、とりあえずユーザ視点で納得するための要素としては
- 【商品が見つかりません|サウンドハウス】の縮小版が追加されている。
- これを含めた機能が、「入力でのAD変換から、出力のDA変換までの間で、デジタルのまま一気に」処理される。
- ステレオ構成で使用する限りは、よけいな設定項目がない分だけ設定しやすく、入出力がらみの端子プリントも直感的。
というところに絞られてくるのかもしれません。
いっぽうでBehringer ULTRADRIVE PRO DCX2496については、羨ましいことに(?)デジタル入力(ステレオ音声との排他利用)がついていますし、dbx DriverackPAの機能を模倣するための予想組み合わせは【Behringer ULTRADRIVE PRO DCX2496 + dbx AFS224】(Soundhouse価格で合計73600円)となり、【dbx DriverackPA】(Soundhouse価格で61800円)と似たような価格で手に入ります。
こちらの場合、DACとしてDCX2496を使用する場合に限れば「ADCが関与する段数は(AFS224に内蔵されている)1段のみ」となって、dbx DriverackPAと同条件になります。また、AFSの効果ポイントがdbx DriverackPAよりも多い(Driverack PAでは16ポイントなのに対して、AFS224は24ポイント×2chと数が多い)ところも良いかもしれません。
この構成で困るとすれば
- AFS224を先に通すと、DCX2496はアナログ接続(内部ADC有効)で使う必要が出て、ADCがライン中に2段入ることになるので、音質的に厳しくなるかも。
- (DACとして使うためにデジタルで入力するとして)AFS224を先に通す場合、DCX2496の出力チャネル数に応じた数のAFS224が必要になるので、この点でコストがかさむ(2チャネルまでごとに39800円の追加投資が必要)。
- DCX2496には単体でさえも「3チャネル2Way」「2チャネル2Way+モノラルウーファー+モノラルモニター」「ステレオ3タイミングディレイ」「モノラル6タイミングディレイ」の様な設定が出来、連結するともう少し広範囲(見方を変えれば「変」)な接続方法をサポートしています。また、メニューの出来が(dbxと比べれば、という意味では)わかりにくく、この2つが相まって「使いにくい」可能性があります。
というあたりでしょうか。
個人的には「目的に見合った出来の良いインターフェースを持つ機械には、大抵はずれはない」と思うところがあるので、dbx Driverack PAは結構お勧めかも、と感じています。
ただし、こいつにも一つだけ欠点があって……。
メニューから抜け出す【Escape】キーがない!というか、なぜキーに【PROGRAM】なんて名前が付いてるの?
というところは、とても気になりました。
dbx Driverack PAの【PROGRAM】キーは、機能的はそのキープリントで正しいにせよ、ユーザから見たメンタルモデルとしての実質的には【Escape】キーに他ならないので、この点のキープリントはもう少し見直していただきたいなぁ……と。
#そんな理由から、データのロード方法について書いたところで「PROGRAM/ESCAPE」という表記をあえて使ってみました。
うーん……Driverack PAやASF224がデジタル入力&デジタル出力に対応してくれると、だいぶ状況は変わるのかも?という気はするのですが、そういう時代が来るのはもう少し先なのかもしれないですね。
2008年4月20日21:27:38追記。
AFSのみの状態であれこれと聴いていたのですが、どうにもRoland/UA-25(というか、USBがらみのクロック)の不安定さが気になってきてしまいました……というか、クロックは不安定ではない(音が高くなったり低くなったりするわけではない)のですが、たまにパケット落ちしているっぽい聴感があって、これがすごく気になります……パソコンの調子が悪くなってきたという証拠なのかもorz。
うーん……USBクロックを無視して動くタイプのOnkyo/SE-U55SX(orGX)を導入するべきか?とも思ったのですが、そこまでしても効果が出なかったら洒落にならんので、ひとまずLAN経由でDLNAクライアント(というかPS3)を使うという方向(【似非プロケーブル環境関連メモ。 - 雑記/えもじならべあそび】で確認済み)で行くのが順当かな、と。
ひとまず再生はPS3経由にして、DriverackPAのユーザバンクU9(AFS、HF=-1.9dB)を生かした状態で、今日のところは落ち着きそうな予感。
2008年4月21日11:13:22追記。
当たり前といえば当たり前なのですが、Drivirack PA のマイク入力であるRTA Input端子は測定用コンデンサマイクロホン専用の入力端子なので、「ファンタム電源をOffにしたまま」ファンタム電源をOffにすることはそもそもかんがえられていません。
こういった「ファンタム電源を掛けてきたマイク入力」に対してでも接続できるマイクプリアンプ、というのはそう一般的ではないようで、安定して増幅したマイクロホン音声をDriverack PA のRTA端子へと送出する方法が、まるで思い浮かびませんでした。
そうして、延々と「マイクプリアンプ」を買おうとしてSoundhouseをさまよっていた……のですが、マイクプリアンプは妙に高かったりする上に、ファンタム電源がらみの問題について明確な記述もなし。
見方を変えて「安価なミクサ」に手を出そうとしたのですが、それらも同様にファンタム電源がらみの問題が消えずに、とても困り果ててしまいました。
そんななかで、ふと「なぜ私は、そもそも【前段機器からのファンタム電源を無視し、かつ接続したマイクにファンタム電源を送出できるマイクプリアンプ】なんてものの存在について考えたのだろう?」という、根本的な疑問にぶち当たりました。
当然、根拠無しにそんな確信を持てるはずもありません……なんか忘れてるよなぁ、と思いつつSoundhouseで「Mackie/1202VLZ3」を見たときに、ようやく気づきました。
そういえば、「MackieのVLZシリーズ&ONYXシリーズミクサは【MAIN MIX OUTについては】前段機器からのファンタム電源を無視できるようになっていて、ゆえに【ファンタム電源が掛かった、ほかのミクサのマイクロホン入力へと数珠繋ぎ接続できます】って書いてあった」よなぁ、ということを、今更になって思い出しました。
……そう、今回の「ファンタム電源が掛かったRTA入力端子」に対して、Mackieの特定のミクサ(ブロックダイアログを見る限りでは、DFXシリーズとかはダメっぽい)であれば、「プリアンプで増幅したマイクロホン音声」を送出できるわけです。
とはいえ、まさか「Mackie/1402VLZ3」をすでに持っているというのに、ここで同機種や「Mackie/1202VLZ3」を購入するべきか?と考えてみると、これも何かが違う(もっと良い解決方法がある)様な気がして、もう少し考えてみました。さすがに「将来使わないと解っている」ミクサを買い足しても邪魔じゃないですか。そういう無駄なことに投資するのはちょっとヤだな、と。
そうして再び考えているうちに、とても単純な答えに行き着きました……というか、普通の人ならそうするだろ、という、とても当たり前のつなぎ方が思い浮かんだわけで。
測定時だけ「Mackie/1402VLZ3」のMAIN MIX回路を使ったHF/LF合成をやめて、MAIN MIX回路をDriverack PAのRTA入力マイクロホン用のマイクアンプとして使えばいいじゃないか。
Driverack PAのクロスオーバー設定は、測定時「だけ」LFを全帯域に設定すれば良いのだから、測定後に元の状態に戻すのも可能だし、Crown/D-45はXLR/TRSのコンボ入力端子を使っているから、今ミクサ戻しケーブルとして使っているもの(XLRメス→TRS)をそのままCrown/D-45に導入すれば良いだけだし。
必要なのは「測定用マイクロホン1本+XLRメス→XLRオスケーブル2本」だけれど、ちょうどXLRメス→XLRオスケーブルは2本あるから、追加投資はゼロでできるな。
ただし、ここにたどり着く前に「同ミクサのTRS入力を使った試験がダメ」で「Roland/UA-25のダイレクトモニタを使った試験もダメ」だったので、正直この方法でも何か問題が起きるんじゃないかなぁ……と、当初は不安でした。
ところが、いざやってみると【なんの問題もなく、普段の聴取音量で、きちんとAutoEQが成功した】んですね。あまりに単純に出来たので驚いてみたり……というか、Mackieミクサの「マイクプリアンプ&XLRアウトプット回路」ってえらいなぁ、と、ちょっと感心してしまいました。
測定経路を忘れてしまうと面倒なので、以下に書いておくことにします。
ソース機器 | ミクサ入力端子 | ミクサ入力感度 | ミクサMute/Alt3-4設定 | ミクサ出力端子 | Driverack入力端子 | Driverack出力端子 | アンプ入力端子 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
PS3(確認用) | Ch7-8(どのステレオチャネルでも良い) | 押す(-10) *2 | 押し込む(Alt3-4) | Alt3-4(TRS) | INPUTS | LOW band(XLR) | XLR or TRS |
Behringer/ECM8000 | Ch5(どのモノラルチャネルでも良い、PANはセンターに振っておく) | RTAモードになってから、ゆっくりと上げていく | 押し上げる(MainMix) | MAIN OUT XLR(LRどちらの出力端子でも良い) | RTA Input(XLR) |
ここでの注意点は以下の通り。
- ミクサ側の注意点。
- Alt3-4に送ったソースの音量は、ソース機器を接続したチャネルストリップについている「ゲイン切り替えスイッチ」と「音量スライダ」だけで調整され、メイン音量スライダやControlRoomスライダでは抑制されないので、音量に注意。
- 接続方法を変更しているので、必ずCrown/D-45のボリウムは一度絞りきり、再度音量あわせをすること。ただし左右の音量差が出る場合であっても、どうせAutoEQで補正されるので、気にせず「左右両方とも同じ位置」にすること(スライダを使った左右のバランス合わせがいかに無謀なのか、ということは、AutoGEQが成功すれば痛感するはず)。
- 接続している測定用マイクの出力は、マイクを接続したチャネルストリップについている「ゲイン調整ノブ」と「音量スライダ」だけではなく「MAIN MIXスライダ」も通るので、その点に注意。
- 実際にRTAによる作業をするときには、「該当チャネルのチャネルストリップにある音量スライダ」と「MAIN MIXスライダ」はユニティ位置(Uマークがある場所)に固定して、「ゲイン調整ノブ」だけで調整するのがわかりやすい&歪み類での測定結果狂い現象が発生しにくいと思います。
- ミクサのMAIN OUT XLR付近に着いている「MAIN OUTPUT LEVEL」は、必ず押し下げて「MIC」モード(他のミクサへと数珠繋ぎにするときに使うモード)にして使ってください。「ゲイン調整ノブ」と「音量スライダ」と「MAIN MIXスライダ」をすべて上げてもダメだ、という場合や、ダメではないが信号が歪んでしまう、という場合のみ、このスイッチを押し上げてください(30dB近く音量差が出るので、操作前にはすべてのスライダを下げないと危険です)。
- Driverack PA側の注意点。
- 2WAYモード以上で使ってミクサで合成している(そんなの私だけですな^^;)場合は、ミクサ側に挿している戻し配線は、ミクサから外してください。
- EQ設定はそのままでかまいません……が、AutoEQを使うと従来の設定は崩れてしまう(上書きされる)ので、従来の設定が必要ならば、そのデータはきちんとストアしておいてください。
- AFS(ハウリング検知)については、先に設定して「固定フィルタが設定されたまま(Onのまま)」で、AutoEQを掛けてください。設定を消してしまったような場合には、「AutoEQを掛けるよりも前に」AFSを使って固定フィルタを設定してください。
……と、こんな感じでしょうか。
まぁ、金と待ち時間と置き場所がある方は、こうやってスイッチをあれこれ弄るよりも「もう一台VLZシリーズかONYXシリーズを追加で買う」と良いでしょう。
逆に、私のように「納得できないときは金をつぎ込みたくない」「待ち時間があるのはヤだ」「ミキサを2台も転がす場所なんてないよ!」という場合は、Mackieミクサで上記のように工夫してルーティングしてみてください。こいつらがどんだけ「使えるミクサ」なのかということを、よく理解できると思います。
【「まじめにジョークを飛ばす技術」が受け入れられれば、その先には「発見という名のアフォーダンス」がある。 - 雑記/えもじならべあそび】のときにも驚かされたのだけれど、Mackieミクサってとにかく「いろいろなところで、かゆいところに手が届く」よなぁ……と、今回も再び驚かされてみたり。
こういう「使い倒せる製品」って、良いねぇ……ますますMackieが好きになったよ。
……で、RTAを使ったAutoEQの感想。
- いくら左右の音量を調整しても「音像がぴたりと合わない」理由って、左右の音量が「帯域毎にバラバラだから」なんだな、ということに気づかされた。
- 全帯域で左右音量がぴたりと合っていると、聴取位置付近だけでなくて、比較的広いサービスエリアが確保できる。
- そりゃ、当然「全帯域を弄る」普通のボリウムで調整しきれるわけはない(当然、2Wayに分割して操作しても、焼け石に水)し、「手動で弄る」普通のグライコで気づくのは難しいよなぁ……と。
- スピーカから1.5mは離れた位置(というか、つまりは普段の聴取位置)にマイクを立ててRTA測定をしないと、測定用マイクがスピーカに近づけば近づくくほどに【部屋の特性が無視されて、スピーカユニット同士の離れ具合に左右された】結果になってしまい、RTAをする意味がなくなってしまう。
- グライコの特性暴れを押さえるためには、定在波の発生要因をなるべく少なくする方が良い……ので、特に【スピーカボックスと部屋壁面との間で起きる定在波】に対しては、あらかじめ対策をしておくと良さそうです。ここを対策しておくと、オートグライコで無理矢理調整する必要が減るので、音質劣化をより押さえることが可能になるはずです。
- ただし、問題がまっほくないというわけではなくて、とくに超低域と超高域は無駄に強調されたようなイコライジングになる……という不都合はある。そういう帯域は音のバランスに大きな影響は与えないので、そういう帯域は素直に手動で「設定としてのフラット」に戻してしまう方が良いと思う。
- はじめて「ステレオチャネルストリップ」を安心して使えた……というのは、ちょっと感動した。
……と、まぁそんな感じ。
(2008/04/22-00:50追記)よくある(?)質問と解答。
質問:全段業務用機器でなければならないのか。家庭用音響機器は蚊帳の外なのか。
解答:違う。次の条件を満たせば、おそらくは導入可能(ただし未検証)。
- 確認すること。
- (プリアンプ→DriverackPA→メインアンプという経路でDriverackPAを挿入するので)プリメイン一体型アンプの場合は、プリアウト端子とメインインプット端子が装備されていることを確認する。
- 買う必要があるもの
- 共同購入・誰かから借りる、などでいいもの
いつ試験するかは不明ながら、この手の環境でテストが成功すれば追記します。
2008年4月22日11:30:22追記。
Driverack PAのような装置を導入しない場合の、左右バランスについての図を掲示します……へたくそですけど。
民生用アンプや、業務用アンプでおなじみの「MN型ボリウム」というものを使うと、左右に音を振ることができます……が、それは「スピーカ以前の、電気的な世界でのみ理想的に働く」代物であって、スピーカを経由して空中に放射されてしまった後の音声を左右に振るために使おうとすると、なかなか思い通りに行きません。
これは、「メインボリウム(Aカーブ)+バランスボリウム(MNカーブ)の組み合わせ」でも、「左ボリウム(Aカーブ)+右ボリウム(Aカーブ)の組み合わせ」でもまったく状況は同じです。
空中に放射された音は、部屋の壁面や部屋内の障害物によって、とても複雑な形で反射/吸収されていきます。
その結果、耳に届くときには「左右のバランスが周波数ごとにばらばらになってしまい、特定の音域がセンターになるように調整してやると、その付近を含めた色々な帯域がセンターからずれてしまう」という現象を引き起こします。
特に「人間の声」などで判りやすいのですが、人間の声のうち特定の音程の基音をセンターに持ってきても、その特定の基音から見た倍音が、基音と同じくセンターに定位している……とは限らず(というか、倍音が基音とまったく同じ位置に定位する可能性はきわめて低い)、結果として【人の声がピンポイントの場所からは聞こえてこない・口元が大きくなっているように聞こえてしまう】という現象を生み出します……たぶん。
こうなってしまう原因は、そもそも【部屋自体や内部のものによって不規則に音が反射/吸収されて、赤線部分がぐにゃぐにゃと曲がっていること】が原因なので、ここについての対策を行わないと「あてずっぽうの対策」にしかならない……ということになります。
対策を行うには、先にも述べたとおり「共振が成立しないように拡散材か吸音材をつかう」「広い面で共振しなければ目立たないので、部屋の平行面を減らす」「共振に必要なエネルギーを与えないように、共振する帯域の出力をそもそも規制する」などのうちいずれかひとつ(またはそれらの組み合わせ)を行う必要があります。
こういったことを行って、「モノラルのピンクノイズを出したときに、左右スピーカから出る音によって構成される、ピンクノイズ・レスポンス・ツリーの幹が、ピンとまっすぐになる」状態へとシステムをあわせこむことによって、はじめて「全体域に渡って、左右音量のバランスが合い、はっきりとした音の定位感を確保できる」というわけです。
うーん……まさか、この現象を指してプロケーブルさんが「音の焦点」とか「音響」などと言っていたのかしら……って、なんか違うような?そもそもここでやっているのは「点」ではなくて「線」だし。
電線を伸縮したとしても、たかが2バンド分割でHF側音量を調整しても、高音域を何らかの物体で抑制したとしても、「ピンクノイズ・レスポンス・ツリーの幹」はまっすぐになどならないし……。
……ますます謎は深まるばかり、ということか。
参考文献(2008年4月22日12:05:29追記)。
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「かんがえなしで」できるように、という意味で、個人的にはこういう操作を「かえで化」と名づけています……って、そこはどーでもいいですな。
2008年4月25日0:34:52追記。
どうしても「Mackieミクサをかませたことによる精度劣化&ノイズの影響が気になる」ので、このあたりの不安を払拭するための部品を探していました。
当初はマイクプリアンプをあれこれと探していたのですが、根本的に考えが間違っていたことに気づき、ようやくコレにたどり着きました。
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どちらも、ブランド違いで同じ「MINISPL」というマイクロホンです。
(私の勘違いでなければ)Behringer/ECM8000やdbx/RTA-Mなどよりも30dB/Paほど感度が高いようなので、マイクプリ部を通すにしてももう少し低い増幅率で(うまく行けば普通の聴取音量ではマイクプリ不要で)測定できるかもしれません。
ちょっと価格が高い(Mackie/1202VLZ3+Behringer/ECM8000の組み合わせ価格である41,300円よりも高く、49,800円かかる)ので、「ミクサ+安価なマイクの代わりとして導入する価値があるかどうか」という視点で使ってみて、結果をまたここに追記したいと思います。
2008年4月28日1:01:07追記。
【JBL/JRX115は「上へ下への大騒ぎ」なスピーカだった……。 - 雑記/えもじならべあそび】にも書いたのだけれど、ここでもすこし記録しておくことに。
商品が見つかりません|サウンドハウスを購入して、実際に試してみました……が、dbx/DriveRackPAへと直接接続すると、このマイクは省電力回路の絡みから、マイクアンプの電源がOnにはならず、使い物になってくれませんでした。
マニュアルを見ると、数十キロΩくらいの「相対抵抗値がよくそろった」抵抗器を、対グランドで双極に並列接続したマイクケーブルが必要になるときがあるそうで、マイクアンプは「対グランドの抵抗値が一定値以下になった場合に、始めてマイクアンプ全体の電源をOnにする」様に作られているようです。
このあたりは、実際にそういうケーブル(or箱)を作った後から、もう一度テストしてみたいと思います。
それと、こいつには「単三型乾電池1本」が、必ず必要になります……ファンタム電源から電源供給をしているのかと思いきや、実際には乾電池で動く様で。
このあたりのテストは、ゴールデンウィーク中か、あるいはその後になってしまうかもしれません。
2008年5月5日16:53:43追記。
SoundhouseのXLRマイクケーブル(2芯+アース)を分解して、実測値のよくそろった(4桁デジタルテスタですべての桁が同じ値を指した)22kΩ抵抗2個を、1-3間と1-2間に接続してみました……付属マニュアルのとおりに。
そして、このケーブルを使ってMINISPLとDriverackPAを接続してみた……のですが、相変わらず「一瞬だけ電源が入る」という状態のままで、結局は何も変わりませんでした。
ケーブルの抵抗値を計ってみると、1-3間と1-2間は同じ値を指していて、2-3間はちょうど倍の値を指している……ので、半田付けをミスったわけではなさそうなのですが。
うーん……計画は失敗に終わった様子ですorz。
*1:2009年5月5日8:43:57追記……このあたりについては、 http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20080422/1208834189 をごらんいただきつつ、ご自身で判断いただくことをお勧めします。たぶん、Stereo Linkでは、本来の能力をほとんど発揮できないはずで、Dual Monoにする【必要がある】と考えられます。
*2:2008年5月3日23:58:39追記……PS3を接続した場合に入力感度ボタンを押し込んで「-10dBu」にすると、レベルメーターが振り切れる寸前になります。これは「-10dBu」の信号が来たときにミクサが「0dBu」を示すように10dBuステップアップする感度設定がなされているため、結果として「CDプレーヤのフルスケール(2Vrms≒4dBu)が来たときに10dBuステップアップされて+14dBuまでレベルメーターが触れる」ために起こるものです。CDなどのPCM方式記録では、SACDと違って「フルビットよりも大きな信号は記録できない」様になっていますので、PS3側で音量を上げたりさえしなければ、ミクサ側を「-10dBu」設定にしておくことで、Mackieミクサのダイナミックレンジを無理なく無駄なく使い切ることができます。ちなみに、レベルメーターが振り切れる状態まで使うと「パワーアンプを接続したときに小音量聴取がしづらい」という問題が出そう……ですが、MackieのVLZ/ONYXシリーズをお使いであれば、XLR MAIN OUT端子の近くにある「XLR MAIN OUTPUT LEVEL」ボタンを押し込んでみてください。このスイッチは「ミクサ内部回路のアンプにはめいいっぱいのダイナミックレンジを割り当てて動作させつつ、ミクサのXLR MAIN OUTにある2番ピンと3番ピンの間に抵抗器をつないで、ミクサ回路の最も最後に来る平衡出力の信号だけを小さくする」という仕様なので、音質劣化をほぼ起こさずに小さな信号を送出できる(→パワーアンプの音量つまみを、音の悪い小音量領域ではないところに合わせることができる)という、いかにもMackieらしい仕掛けとなっています。(機器内部は不平衡伝送なので別としても、機器外部では)平衡伝送ならば普通の平衡ケーブルを使って伝送できるので、マイクレベルの小さな信号になったとしても、当然まっとうな品質で音声信号をパワーアンプ(or次のミクサのマイク入力回路)へと送り込むことができます。