最近話題の「ATS」って何ですか。
(言及:現状ではなし)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ATS
http://www.wdic.org/?word=ATS+%3ARAIL
要するに「まずくなったら問答無用で非常停止を掛けましょう」ですね。
新しい創傷治療を読了済みの方には、「臭いドブを掃除せずに消毒剤のみを散布する」とか「院内感染を防ぐためにと手荒れ(=キズ=感染の原因となる)を承知でアルコール消毒しまくる」行為だと説明すればピンと来るかも。
WindowsXPの例ですと、PersonalFireWallの様なものですね。
(適切なたとえかどうかは不明ながら、問題の根幹をほったらかしにして水際で事故を防ごうという思想である点ではよく似ている気がします)
さて、ここで疑問がいくつか。
- 列車がカーブを速度制限内で高速走行しているときに、非常停止が掛かっても安全なのでしょうか。
- ATSだけではなく、駅構内にも踏切にも非常停止ボタンはありますが、これらは「いついかなる時に押されても」列車転覆の原因にはならないなのでしょうか。仮に対策がなされていないとなると、ハッキリ言って置き石よりも遙かに危険なのですが。
- ATSが掛からない直線区間において、かえって速度超過を招きかねないか。
- 非常停止信号が掛かれば、必ず列車は止まるものだという幻想を持っていませんか。
- この前提に立てばATS-P導入は確実に効果があります。が、本当にそれで大丈夫なのでしょうか。ブレーキの効きそのものを確認する(運転士の意志に沿えない場合にそれを警告する)システムも必要なのではないかと思わせる事象もあるようですし。
…興味本位とかいうレベルではなくて、実際に心配なものですから、不謹慎かもしれないことは承知の上で、あえて記述させていただきました。
今の報道etcで安易に提唱されている「ATS教」的な雰囲気には危機感を感じているものですから(ATS-P盲信論は、5Sを「整理・整頓・清掃・清潔・制裁」と書き表す事と同じぐらいに無責任な話だと思う)、ここには異を唱えなければならないと思います。
マーフィーの法則は再び繰り返されたわけです。
事故が起こる可能性がある限り、いつか必ず事故は起きます。
鉄道事故に関しても、飛行機事故のそれと同じく「人を責めない」解決方法を採るべき時期が来ているのではないでしょうか。
(あるいは…HACCP認定工場(食品加工業…どうしても連想できない人は、「蒲鉾屋」で探してくださいな)を見学してみるとか。どうやって事故を防ぐかという手法を学ぶためには、今もっとも適した(しかもかなり解りやすい)見本だと思う)
勢い投石を受けたり殴られたりもすれば、誰も真実なんて話してはくれませんよ。
人が示す行動というのは、shinoさんの言葉を借りれば、
やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ
(from http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/comment?date=20050429#c)
ですから。
従業員満足度が低いままでは何ともならないでしょうし、外からこれを低下させようとするなど以ての外で…って、本当の事故原因は、ここにあるのでしょうね、たぶん。
それがなぜにATS万能論に化けたのか?…どこかに話のすり替えをたくらんだ人達(もしくは単純なキーワード好きの人達)が居るのかもしれず。
ATS-Pを導入して、運転士は満足しますか?運転士はストレスから解放されて、運転に専念できますか?たぶんそれらは違うと思う。
日本語入力のインタフェース(特に「誤打のメカニズム」あたり)と、ある意味共通する部分があるのかもしれない。
興味深い発言を国会議事録中から見つけました。
近鉄特急正面衝突事故(青山トンネル事故、1971年10月25日)に関する議事が含まれています。
事故の発生した単線区間の運転度数は、一時間最大上下で十六本となっておりまして、自動閉塞方式、ATS等が設置されまして、これが十分活用されておりますれば、十分安全であると報告を受けている次第でございますが、しかしながら、それらの故障のために今回の事故を起こした次第でございますので、私どもは、ただに御指摘のようなATS方式万能という考えで進むことなく、ダイヤのまた編成につきましても、これが過密になっているかどうかということを、せっかくただいま佐藤政務次官を、私の代理といたしまして現場に派遣をいたしまして調査をさせておりまして、再検討を命じている次第でございます。
(from 参議院会議録情報 第067回国会 本会議 第6号 at 昭和四十六年十月二十七日(水曜日))
…この国の安全政策は、昭和40年代以前に遡ろうとしているのでしょうか。
唖然としてしまって、もう、何も言えなくなってしまいました。
「脳の疲労度」に関するレポート。
(言及:現状ではなし)
脳の疲労度に関するレポートということでお教えいただきました。
山田著:ヒューマン・インタフェースと脳の科学
脳、視覚、文字鍵盤、等「日本語をどう書くか」の多方面からの詳細な調査・研究のレポート
http://www.ccad.sccs.chukyo-u.ac.jp/~mito/yamada/
今日はこれで終了(仕事ッスよioi)なので、明日朝より読ませていただくつもりです。
コメント部も必ずお読み下さい
見事に誤読していたのですorz